

- 2020年12月9日
リチウムの再発予防効果
今回はリチウム(炭酸リチウム)という薬が持つ、再発予防効果のお話しです。このリチウムは双極性障害という病気の治療に使われます。 双極性障害はうつ病の再発を繰り返す精神疾患です。そのため、うつ病と間違われやすいのですが、うつ病とは別に、怒りっぽい、または活動的な時期があるのが特徴です。これを躁病とか躁状態と呼びます。躁状態の有無が診断の要なのですが、人によって躁状態が目立たない人がいます。 双極性障害では気分の差が激しく、これを気分変動と言いますが、臨床では気分の波と表現することが多いです。 双極性障害の治療の基本は、薬物療法つまり薬の治療です。双極性障害で薬を使わないと、うつ病や躁病が何度も再発します。このため再発予防の治療が大事になります。再発予防の治療は別名、維持療法と呼ばれます。良い状態を維持するということです。 再発予防の薬はいくつかありますが、代表的なものがリチウムです。これは気分の波を抑えて安定させるようなイメージの薬です。 双極性障害の治療薬は色々とあります。リチウムの他にはバルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギンなども使われます。