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適応障害の診断と治療


適応障害についてアップデートしました。症状や診断、治療方法などについて解説します。

適応障害とは


適応障害とは心理的なストレスや環境変化などが原因で起こる精神疾患です。例えば、職場の異動でストレスが強まった、昇進してプレッシャーが強まったなど、ストレスの強い出来事や生活・職場環境の変化の後に、不安やうつ症状が強まるような場合、適応障害と診断します。典型的には原因となるストレスが始まってから3ヶ月以内に症状が出現する場合を指します。


症状


明確なストレス、辛い出来事があった後に、強い不安、気分の落ち込み、意欲の低下、衝動的な行動などの症状が出ます。原因となるストレスや辛いことが無くなれば、症状は数週間から数ヶ月で自然と良くなります。


診断


不安症状やうつ症状が出現する病気は他にもたくさんあります。例えば、パニック障害やうつ病などです。もしも、パニック障害の基準を満たすほど症状がはっきりと持続していれば、適応障害とは診断せずパニック障害と診断します。うつ病の場合も同じで、強いうつ症状が持続しており、うつ病の基準を満たすほど重篤な場合は、適応障害ではなくうつ病と診断します。適応障害は、他の精神疾患の基準を満たさない場合につける診断です。


初めは適応障害と診断されても、症状が長引いたり、重症化した場合は、他の精神疾患に診断が変わることがあります。


また、適応障害は、原因となるストレスがはっきりと分かっている場合に診断します。他に原因となる辛い出来事が特定できる精神疾患に、心的外傷後ストレス障害(PTSD)というものがあります。これは、災害や暴行などの非常に恐ろしい出来事があった後に、悪夢を見たり、不安症状が強まったり、急に辛い思い出がよみがえってしまうなどの症状が出るものです。こうした症状がある場合は、適応障害とは診断せず、PTSDと診断します。


PTSDについて詳しくはこちら


治療


適応障害は、まだ研究が少ない分野であり、治療の医学的な根拠も乏しいのが現状です。このため、医師ごとの知識や経験に基づき治療されています。


基本的には適応障害はストレスさえ無くなれば治る可能性があるため、まずは原因となるストレスの解決を図るのが治療の一歩目になります。例えば、職場のストレスが原因の場合は、ストレスの少ない職場に異動したり、他の会社に転職したりすると症状が良くなる可能性があります。また、休職して自宅で療養することでも改善が見込めます。休職する場合は、職場のシステムを確認しておいた方が良いでしょう。診断書は必要か、傷病手当金の申請は可能か、復帰する時にプログラムはあるのかなどを担当部署にお尋ねください。


症状に応じて薬物療法(薬の治療)を行う場合もありますが、基本的に数ヶ月の短期間にとどめます。適応障害では多くの場合、長期の薬物療法は必要ありませんが、症状が長引いたり重症化したりして、うつ病や不安障害などに移行した場合は、それぞれの病名に沿って長期間にわたり治療することもあります。


引用文献:




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横浜駅西口 心療内科・精神科


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