コンピューターを使った認知行動療法

コンピューターを使った認知行動療法の有効性について調べた論文を紹介します。


世の中には色々な考え方、捉え方や視点がありますが、物事の捉え方一つで気分や感情が変わったりします。


コップの水の例えはよく使われますが、コップに水が半分入っている場合、コップから水が半分無くなったとか、半分空いているという風にネガティブな捉え方をする人がいます。同じように、メリットをデメリットに捉えたり、利点を欠点に捉えたりすることも可能でしょう。


このようにネガティブな捉え方ばかりしていると、気が滅入ってしまいます。物事の捉え方は気分に大きく影響するのです。


多くの人は無意識的に物事を捉えているので、自分の捉え方やモノの見方に無自覚です。そこで、自分の捉え方、見方などを意識し、少しずつ変えていくことで、気分や感情を変えていく取り組みがあります。これを認知行動療法と言います。認知行動療法はうつ病や不安症の治療に使われています。


日本の健康保険で認められた認知行動療法は、マニュアルに沿った体系的な方法ですが、認知行動療法の理論に基づいた別のやり方も多く存在します。短時間の簡易的なものや、一人で可能なワークブックの形式など、認知行動療法を元に作られた方法は沢山あります。


このサイトで開示している不安の対処法なども、認知行動療法の理論に基づいています。


薬を使わずに不安に対処する方法


最近注目されているのは、コンピュータやタブレット端末などを使った認知行動療法です。全自動みたいに全てをコンピュータが担うタイプもあれば、人間の心理士や精神科医がコンピュータを使いつつ患者さんを治療するタイプもあります。


このコンピュータを使った認知行動療法が、どれだけ治療として有効なのか調べた研究をご紹介します。


今回ご紹介する研究はメタ解析という手法で、今までの色々な研究を集めて解析しています。このメタ解析によって、コンピュータを使った認知行動療法が、うつ病の治療に有効なのか調べられました。


認知行動療法がうつ病に有効なのは確認されていますが、コンピュータ版はどうなのでしょうか。


ここでは、40の研究結果が統合されて、統計学的に解析されました。この結果、コンピュータを使った認知行動療法もうつ病の治療に有効ということが確認されました。


また、心理職の人間などがコンピュータと一緒に行う認知行動療法の方が、コンピュータのみで行う認知行動療法よりも治療効果が優れていることも分かりました。


コンピュータというと、無機質なイメージがありますが、人とコンピュータが一緒に治療に当たるのであれば、人の温かみが感じられますよね。


パソコンが発展して人工知能やロボットなどの開発も進んでいますが、機械だけに任せるのではなく、機械と人間の共同作業が大事なのかもしれません。


引用文献:Computer-Assisted Cognitive-Behavior Therapy for Depression: A Systematic Review and Meta-Analysis. Wright JH, et al. J Clin Psychiatry. 2019.

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