うつ病の症状について説明します


このページについて:うつ病と正常な心理状態との違いや、うつ病の非定型症状、双極性障害によるうつ症状との違いも説明します。


うつ病とは、その名前が示す通りに気分がうつうつとしたり、気持ちが落ち込んだりする病気です。ただし、誰にでもうつになったり、気分が落ち込んだりすることはあります。しかし、誰もがうつ病というわけではありません。病気というからには、正常な心理状態とは明らかに違う症状がなければなりません。正常な心理状態と病気としての心理状態を区別するのは難しいのですが、臨床では診断基準というものを参考に区別しています。

うつ病の診断基準には、世界共通の国際的基準が用いられています。主な国際的診断基準は、世界保健機関が出しているICD(International Classification of Diseases)というものと、アメリカの精神医学会が出しているDSM (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)というもので、これらは日本でも使われています。

例えば、DSMという診断基準を見ると、うつ病の症状は普通の気持ちの落ち込みと違って、持続的であり、二週間以上、ほぼ毎日のように、ほとんど一日中続くものと定義されています。普通、落ち込んだとしても数日で回復すると思いますが、うつ病は症状が持続するのです。

さらに、気持ちが落ち込む以外にも、ほぼ毎日、ほとんど一日中何にも興味がわかない、何も楽しくないといった症状が見られます。

また、食欲がなくなり体重が減ったり、眠れなくなったり、疲れやすくなったりというような身体的な症状も出てきます。他に体の症状としては、体の怠さ、倦怠感などがあり、また、頭痛や腹痛などの痛みや手足の痺れなどが出てくることもあります。

不安症状が強いと、不安障害の症状も出てきます。パニック発作という急に動悸や息苦しさ、冷汗などが出てくる症状が出ることもあります。パニック発作はパニック障害の症状ですが、うつ病で出てくることもあるのです。うつ病でパニック発作も併発するなど、不安症状が強い場合は重症度が高くなります

うつ病では思考力も低下します。このため、集中して考えられない、決められないなどの症状が出ます。考え方はネガティブな方向に偏り、自分が無価値だと感じたり、自分が悪いと感じたりします。さらに進むと、もう死んでしまいたいとか、死ぬしかないなどと考えたりします。希死念慮とか自殺念慮などと言うものです。これにより、自殺に至るケースもあります。

思考力の障害が重症化すると、現実的な考え方ができなくなる妄想という症状も出てきます。例えば、自分が貧乏になったと思いこむ貧困妄想という症状や、自分がとても悪いことをした、罪を犯したと思いこむ罪業妄想という症状が出てきたりします。また、うつ病では、稀に幻視、幻聴などの幻覚症状が出現することもあります。

このように、うつ病には気分の落ち込みだけでなく、色々な症状があるのです。ただし、誰でもうつ病になれば同じ症状が出るわけではなく、一人一人の症状の出方には違いがあります。

先ほどうつ病の症状では食欲が無くなったり、眠れなくなったりする症状があると書きましたが、全く逆に、食欲が増えて食べすぎてしまい体重が増えたり、たくさん眠ってしまったりというような症状が出る場合があります。こうした症状はうつ病の非定型症状と呼びます。

うつ病の非定型症状には、この他にも、周囲の状況に過敏に反応して気分がころころと変わったり、体が鉛のように重く感じたりするなどの症状があります。こうした非定型症状を伴う場合は、双極性障害によるうつ病の可能性があるため、注意が必要です。

双極性障害とは、気分が落ち込むなどのうつ病の症状だけでなく、気分が高揚したり、楽しくなったり、自信に溢れてきたり、活動的になったりするような躁状態躁病という症状が出る病気です。躁状態では、イライラしたり、怒りっぽくなることもあります。気分が両極端に変動するので、「双極性」と名付けられています。

双極性障害の一症状としてうつ病が出ている場合は、通常のうつ病と違った治療が必要になりますので、混同しないようにしないといけません。しかし、通常のうつ病の症状と、双極性障害によるうつ病の症状はほとんど同じであり、見分けるのが困難と言われています。しっかりと見分けるためには、うつ病になる前に躁状態の症状があったかどうかを確認する必要があります。つまり、今現在の症状だけでなく、過去にさかのぼって症状を探る必要があるのです。

また、うつ状態の中に躁状態が混ざることもあります。これは、混合うつ病と言われたり、混合状態と言われたりします。例えば、うつ状態であることが多いのに、時に気分が高揚したり、怒りっぽくなったり、イライラしたりするなど躁状態の症状が混ざるような状態を言います。このように、うつ状態と躁状態の症状が混在する場合は扱いが難しいです。最近では、双極性障害とみなして治療する方が良いという考え方が広まってきています。

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