いじめを減らす学校教育


このぺーじについて:学校教育を変えていじめを減らす取り組みがイギリスで行われました。しっかりと研究データを取り、科学的に有効性が証明されたようです。


今回は学校教育の話です。子供達のいじめや暴力を減らす教育について研究結果が発表されたので紹介します。

これはイギリスの研究なのですが、イギリスでも子供のいじめが社会問題になっているようです。特にネットを使ったいじめが多いとか。この辺は日本と同じですね。

子供の頃にいじめられると、大人になってからも精神的に不安定になったり、他人とコミュニケーションを取るのが苦手になったりすることがあります。つまり、子供の頃のいじめは重大な後遺症を残す可能性があるわけで、子供の頃だけのことと済まされる話ではないのです。これは社会全体に悪影響を及ぼす話ですから、社会全体でいじめを防ぐ取り組みが必要になるはずです。

イギリスでは、いじめを防ぐために、”Learning Together”という試みが始まったそうです。直訳すると「一緒に学ぼう」ですね。これは学校の先生と生徒の両者が学ぶカリキュラム、つまり、生徒だけでなく、学校の先生も教育の方法を学ぶというものです。

”Learning Together”には3つの大事な要素があるようです。一つは、一部のクラスだけに導入するのではなくて、学校全体で導入すること。次に、人間関係のもめ事を解決したり、衝突を防ぐ教育を施すこと。これは座学だけではなく、先生と生徒が良い人間関係について話し合う、議論するなどのカリキュラムがあるそうです。まさにアクティブ・ラーニングですね。3つ目の要素は、心のマネジメント、感情をコントロールする方法のレクチャーです。

この”Learning Together”という取り組みが本当にいじめを減らすのか、また、子供たちの攻撃性を減らすことに貢献するのかどうか、イギリスでは、しっかりとデータをとった「研究」という形式で調べられました。

”Learning Together”を20の学校で導入し、従来通りの教育を行った20の学校と比較しました。”Learning Together”を導入するかどうかはランダムに決まりますので、例えば教育がしっかりしてそうな学校だけを選ぶといった恣意的な操作はできません。

そして、この研究では、子供たちのいじめ、攻撃性について、総合的な評価尺度を用いて点数化し、数字で評価しました。数字で評価することで、統計学的な解析が可能になります。

3年後に結果が比較されましたが、”Learning Together”を行った学校の方が、いじめが少なかったというデータが出ました。統計学的に解析して、意味のある差が出たのです。ただ、子供たちの攻撃性が減ることはなかったようです。これに関しては、別のアプローチが必要なのかもしれません。

全てがうまくいくわけではありませんが、それでも、確実にいじめを減らす方法があることが科学的に証明されたのは良いニュースではないでしょうか。日本でも同様の取り組みがあるといいですね。

引用文献:Bonell C, et al. Effects of the Learning Together intervention on bullying and aggression in English secondary schools (INCLUSIVE): a cluster randomised controlled trial. Lancet. 2018.


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