全般性不安障害の標準的な診療

全般性不安障害の標準的な診療についてガイドラインを元に解説します。


全般性不安障害という名前は聞きなれない方も多いかもしれません。簡単に言うと、過剰なまでの心配性で、なんでもかんでも不安になってしまう精神疾患です。カテゴリーとしては、不安障害(不安症・不安神経症)の一種になります。「何でもかんでも」不安になるので、「全般性」不安障害と言います。他の不安障害では特定の状況だけに不安が限局しています。例えば、社交不安障害という病気では人前に出る場面で不安が強まります。しかし、全般性不安障害の場合は不安の対象が多岐にわたるのが特徴で、特定の状況だけで不安になるわけではありません。

全般性不安障害の症状について詳しく知る

全般性不安障害は様々な精神疾患と一緒に起こることが多いです。代表的なものはうつ病です。また、他の不安障害を合併することもあります。アルコール依存症などの依存症に全般性不安障害を合併した場合は、依存症の治療から始めるのが良いとされます。合併する精神疾患によって治療法も変わるので、きちんとした評価が重要です。

全般性不安障害に関係する精神疾患について詳しく知る

全般性不安障害の治療は、段階的に行います。イギリスのガイドラインでは、症状が強くなければすぐに薬を使わずに精神療法(心理療法)だけで対応することが推奨されています。まずは、全般性不安障害がどういうものなのか、どのような治療があるのか説明するのですが、これも心理教育という精神療法の一種になります。しっかり情報を得るだけで、安心は得られるものです。また、セルフ・ヘルプと言いますが、自分で不安をコントロールする方法を教えることも有効です。当クリニックでも薬を使わずに不安に対処する方法について書かれた冊子を配布していますが、これは認知行動療法という精神療法の理論に基づいて作られています(詳しくは下記リンクへ)。


薬を使わずに不安を対処する方法について詳しく知る


認知行動療法は自分の考え方・捉え方(認知)に気づき、それを修正する、また実際に行動を変えていくことなどが盛り込まれた治療です。精神療法と言っても、いわゆる対面のカウンセリングだけではありません。日常生活の中で実践していく精神療法もあるのです。また、認知行動療法を時間をかけて集中的に行う方法もあります。しかし、これを行う施設は限られており、当クリニックでは行っていません。


薬による治療が必要な場合は、主にSSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を使います。それで効果がなければ他のSSRIに変更するか、SNRI(Serotonin Noradrenaline Reuptake Inhibitor:セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)の使用を検討します。また、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬も有効ですが、長期に使用すると依存性が出ますので、できる限り使用しないことが大事です。もし使う場合でも、短期間の使用にとどめます。

全般性不安障害の治療の選択肢について詳しく知る


よりどころメンタルクリニック

横浜駅西口 心療内科・精神科

引用文献:

精神疾患の診断と治療のページ

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