高血圧とうつ病の関係

最終更新: 5月18日

高血圧とうつ病の関係について説明します。


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高血圧は心理的ストレスと関係の深い病気です。このため、精神疾患との関連性もあります。

特に、うつ病と高血圧の関係が知られています。うつ病の人は、普通の人と比べて高血圧を持つ割合が高いという統計結果が出ています。例えば、2012年に台湾の研究者らが報告した調査によると、一般の人々の高血圧の割合が13.28%であるのに対し、うつ病の人の高血圧の割合は21.21%であり、明らかにうつ病の人の方が高血圧の割合が高いという結果でした。

うつ病と高血圧が関係する理由は、いくつかあると考えられています。そもそも、不安や緊張などの負の感情により血圧は上がります。これは自律神経という血管や心臓などをコントロールしている神経が興奮するためです。自律神経は交感神経と副交感神経に分かれますが、不安や緊張などの感情が高ぶると交感神経が活発になり、血圧が上がったり、脈拍が上がったりします。うつ病や不安障害の人では、この交感神経が活発になるため、血圧が上昇している可能性が考えられています。

また、うつ病になると、コルチゾールなどの俗に言うストレスホルモンの分泌が増える場合があります。このストレスホルモンも血圧を上げる要因です。

高血圧が続くと血管の動脈硬化が進み、心臓の病気や脳の血管の病気、腎臓の病気になりやすくなります。また血管が切れてしまい出血する病気にもなりやすくなります。これらは全て命に関わる病気ですから、高血圧は放置せず、治療する必要があるのです。

うつ病などの精神疾患が高血圧の原因になるのであれば、精神科の治療により高血圧が改善するのではという発想に至りますよね。実際にこれを確かめた研究があり、2015年に報告されています。高齢者70人が参加した研究で、35人はアムロジピンという高血圧の薬を内服し、もう一方の35人はアムロジピンに加えてシタロプラムという抗うつ薬を内服しました。3ヶ月後の結果を比べると、高血圧の薬に加えて抗うつ薬を内服していた人たちの方が、高血圧の薬だけを内服していた方よりも血圧が下がっていたという結果が得られたそうです。

こうした情報を元に考えると、うつ病と高血圧の両方がある場合、高血圧だけの治療にとどまらず、うつ病の治療も同時に行う方が良いと考えられます。抗うつ薬などを使ってうつ病を改善させる方が、高血圧も改善しやすいと期待できるのです。

このように、心と体は繋がっているものです。心のケアが体のケアに繋がることを知っておいてください。

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