全般性不安障害に関係する病気について説明します

最終更新: 2019年6月14日


このページについて:全般性不安障害は他の精神疾患と同時に起こることがあり、他の精神疾患の症状が全般性不安障害と近い場合もあります。詳しく説明します。


全般性不安障害は他の精神疾患と同時に起こることが珍しくありません。そもそも、うつ病と症状が似通っているので当然かもしれませんが、うつ病の基準と全般性不安障害の基準を同時に満たすような人もたくさんいます。この場合は、うつ病に沿って治療しますが、不安が強い場合は重症化しやすいので注意が必要です。

また、パニック障害や社交不安障害など、他の不安障害の症状も出てくることがあります。例えば、電車に乗るのが怖い、人と会うのが怖いといったものです。そもそも、全般性不安障害は多岐にわたる不安を特徴とする精神疾患なので、他の不安障害で出てくるような不安症状を持っていたとしても不思議ではありません。ただ、他の不安障害では、症状が出る状況が限定的な場合が多いと思います。例えば、広場恐怖(乗り物への恐怖など)をもつ人の場合は、乗り物に乗ったり、近づいたりすると不安や恐怖が強く出てきますが、乗り物に近寄らなければ平然としていられることが多いです。社交不安障害の人も、人前で不安・緊張が強まりますが、一人でいるときに不安・緊張が強まったりしません。しかし、全般性不安障害は色々な不安が慢性的に続く病気なので、特定の状況に限らず、不安が続いています。そこが他の不安障害との違いです。

全般性不安障害は、アルコール依存症や覚せい剤依存症などに合併することもあります。不安を和らげるためにお酒を飲んだり覚せい剤を使用してしまったりすることもありますし、逆に、アルコールや覚せい剤の副作用や離脱症状などで不安が強まることもあります。つまり、依存症は不安の原因にも結果にもなりうるのです。依存症と全般性不安障害が同時の存在する場合は、依存症の治療から行うと不安も改善することが知られています。

統合失調症という被害妄想や幻聴が出現する精神疾患がありますが、この初期症状もしくは前駆症状(前触れの症状)として不安が強まることがあります。漠然と不安になることもありますし、人から悪く思われているのではないかと不安になることもあります。このような症状が全般性不安障害の症状に近く、鑑別が難しくなることがあるので注意が必要です。統合失調症は10代から20代にかけて出現することが多い病気なので、この時期に不安が強まってくるようなら、統合失調症の症状で当てはまるものがないかチェックが必要です。

また、精神疾患だけでなく身体疾患の評価も重要です。糖尿病や心臓の病気、悪性腫瘍など慢性的な病気や深刻な病気を持っている人は不安に陥りやすいものです。健康への不安や経済的な不安が強まれば、全般性不安障害に発展することもあります。また、ホルモンの病気や免疫の病気などで不安症状が出ることもあります。背景にある体の病気を見逃さないためにも、色々な視点で多角的かつ総合的に評価することが大事です。

参考文献:

全般性不安障害のガイドライン

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