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パニック障害の症状について説明します


このページについて:パニック障害は、不安障害の一種で、動悸や息苦しさなどが突然起きるパニック発作という症状が特徴ですが、他にも症状があります。詳しく説明します。


パニック障害は、不安障害の一種で、パニック発作という症状が特徴の精神疾患です。パニック発作とは強い不安感や恐怖感と共に、動悸、発汗、体の震え、息苦しさ、胸の痛み、腹痛、吐き気、めまいなどの様々な体の症状が突然に生じるものです。

こうした体の症状には、自律神経という神経系統が関わります。自律神経とは心臓や血管、胃腸など内臓全般をコントロールする神経のことで、交感神経と副交感神経に分かれ、それぞれが相互に作用してバランスを取っています。

不安や恐怖などの感情が強まると、交感神経の方が活性化しすぎてしまい、自律神経のバランスが崩れます。その結果、鼓動が早くなったり、血圧が上下してめまいが出たり、汗が出たり、お腹が痛くなったり、吐き気がしたりなどの異常が出るのです。これがパニック発作のメカニズムですね。

ただし、パニック発作は自律神経自体が障害されているのではなく、あくまで不安や恐怖といった感情により自律神経のバランスが崩れるだけです。自律神経という神経自体の問題だと勘違いしないようにしましょう。なかには、パニック障害のことを自律神経失調症というように、さも自律神経自体の問題だと診断してしまう医師もいますが、それは間違えです。自律神経自体が障害される病気は他にあります。パニック障害は不安障害の一種であり、あくまでメンタルの病気です。

パニック障害の症状はパニック発作だけではありません。一度パニック発作を起こすと、「またパニック発作が出るのではないか」という不安を抱くことが多く、これを専門用語で予期不安と呼びます。この予期不安もパニック障害の症状です。このため、パニック発作が出た場所を避けるなど、行動パターンに変化も出てくることがあります。ようは、回避的になるのです。例えば、電車に乗っている時にパニック発作を起こす人がいます。この人は、次に電車に乗る時に、「また電車の中でパニック発作を起こすのではないか」と不安に思うことでしょう。「もう電車に乗るのはやめよう」などと考えることもあるかもしれません。確かに、電車でパニック発作が出る場合、電車に近づかなければ問題ないという人もいます。しかし、よく考えると、これは変な話です。パニック発作自体が出てこなくても、電車に乗るのをやめると生活が不便になりますよね。これでは、問題ないとは言えません。このように、回避的な行動により生活が障害されることも、パニック障害の症状の一環として考えます。

パニック障害は、こうしたパニック発作や予期不安、回避的な行動などの症状が繰り返し続き、生活に支障をきたす場合に診断します。少なくとも1ヶ月以上にわたって症状が続く場合に診断するので、一時的で短期間の症状だけでは診断しません。

また、先ほども書きましたが、パニック障害では電車の中や、人混みの中、閉鎖された空間など、特定の場所が怖くなってしまうことが多いです。これを専門用語で広場恐怖と呼びます。パニック障害の方は、広場恐怖を伴うことが多いです。ただ、全てのパニック障害に広場恐怖があるわけではありません。将来のことを考えた時にパニック発作が出る人や、1人でいる時にパニック発作が出る人、特にパターンがない人など、色々な人がいます。一言にパニック障害といっても、症状は千差万別なのです。

なお、パニック障害は症状がある時とない時の差が激しいので、他人が落ち着いている状況だけを見ると理解しにくいかもしれません。パニック障害を持つ患者さんの中には、他人から理解されずに悩んでいる方もいます。例えば、休職中の人は職場の人々からの理解が得られないことがあるという話は以前に書きました。こうしたことがないように、できるだけたくさんの人にパニック障害を知って欲しいですね。

参考文献:

  • DSM-5(米国精神医学会, 2013)

  • Generalised anxiety disorder and panic disorder in adults: management(NICE: 英国国立医療技術評価機構, 2011)

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