• 斎藤 知之

プラセボについて説明します


このページについて:プラセボについて解説します。薬の化学物質としての物理的な作用以外の効能をプラセボと呼びます。


プラセボという言葉を聞いたことはありますか? 精神科の薬、向精神薬というものは、脳の神経細胞に物理的に働き、気持ちを安定させます。しかし、それ以外の効果もあります。「薬を飲んだから大丈夫だ」「薬のおかげで良くなるに違いない」と思い込むことで、気持ちが安定するのです。このように、薬の化学物質としての物理的な作用以外の効能をプラセボと呼びます。 例えば、全く脳に働く物質が入っていない偽物の薬にも、プラセボ効果があります。そのため、偽物の薬でも確かに気持ちが落ち着くなどの効果が出てくるのです。例えば、市販のビタミン剤などでも医師から「安定剤です」と言われて処方され、そう信じ込んで飲むと、安定剤としての効果が現れます。有効成分がなくても効果があるというのは、なんとも不思議な話ですが、事実なんです。 こうしたプラセボ効果は、向精神薬以外の薬にもあります。例えば、痛み止めにもプラセボ効果があり、全く痛みを取る成分が入っていない錠剤を飲んだとしても、それが痛み止めだと信じて飲むと、痛みが和らぎます。まさに、信じるものは救われるという感じですね。 こうしたプラセボ効果を軽んじる人もいますが、近年では重要視する考え方もあります。薬理学的な効果のある化合物には副作用もあります。脳の働きを低下させたり、アレルギー症状を起こしたりという弊害が心配なところです。しかし、偽物の薬を本物だと思って使うのであれば、こうした物理的な副作用は生じません。ビタミン剤を安定剤だと思って使う方が、本物の安定剤を使うよりも副作用のリスクが減り、安全性が増すのです。しかも、軽めの精神症状の場合、プラセボ効果が出やすいです。プラセボが抗うつ薬の薬効と同じくらい効果が出ることもあるので、馬鹿にできません。 プラセボをしっかりと出すためには、やはり効果を信じること、言い換えると思い込みが大事になります。悪い方に思い込むと気持ちは暗くなりますが、良い方に思い込むと気持ちは明るくなります。これと同じことが、薬にも言えるわけです。どうせ効くわけないと思って飲むと薬の効果は減り、絶対に効くと思って飲むと効果が上がります。大丈夫だと思い込むのです。すると、薬ではないものを飲んでも効果が出ます。これだけで薬の効果を上げられるのならお得ですよね。このように気の持ちようで薬の効果が変わることは、知っておいた方が賢いと思います。 精神症状を治療する方法は薬だけではありませんが、もし薬を使わなくてはならない場合も、賢く使うことが大事です。副作用に注意するのも大事ですし、効果を信じて薬のプラセボ効果を高めることも悪くはない選択肢です。信じる心、思い込みの力は侮れないのです。

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