社交不安障害と関係する病気について説明します


このページについて:不安障害に似ている他の精神疾患について説明します。他の不安障害や統合失調症などが社交不安障害と誤解されることがあります。


社交不安障害の症状は、一つ一つを見ると、他の精神疾患の症状とよく似ています。そのため、時に他の精神疾患と混同してしまったり、誤診してしまう可能性があります。

一番気をつけないといけないのは統合失調症でしょう。治療法が全然違いますから、間違えると大変です。

統合失調症は様々な症状が出る精神疾患ですが、その一つに、他人が怖くなったり、他人から見られることに恐怖を覚えるという症状があります。これは社交不安障害の症状に近いですよね。さらに年齢としても統合失調症は10代から20代にかけて出現するのですが、社交不安障害も若い頃から出てくることが多く、症状が出る時期も重なっています。

ただし、統合失調症の場合は、誰もいないのに見られている気がして怖い、一人でいるのに見られていると感じる、などと非現実的な考え、妄想を含むことが多いです。

統合失調症は、本当に色々な症状が出る病気なので、他の症状の有無を確認することで、鑑別することができます。例えば、統合失調症では幻聴が聞こえたり、被害妄想が出現したりします。また、陰性症状といって、やる気が出なくなったり、感情が乏しくなる症状が出ることもあります。さらに、認知機能障害と言いますが、頭がうまく回らなくなったり、言葉が出にくくなったりして、学生だと成績が低下したりします。こうした症状を確認することで、統合失調症と社交不安障害を見分けることができます。

また、他人を避けて生きる人も社交不安障害に似ています。この場合は、そうした生き方がその人の価値観に基づくものなのか、性格によるものなのかも考えます。社交不安障害の人は、不安や恐怖が強すぎて他人と関わることができないわけですが、別に不安も恐怖もないけれど関わりたくないという人もいます。これは価値観の問題なので病気ではないです。

また、自閉症スペクトラムという発達障害の一種があるのですが、自閉症スペクトラムの人も、他人と関わるのが苦手です。ただ、これはコミュニケーション能力の問題だったり、相手の感情を読み取る能力の問題です。不安や恐怖により他人に関われなくなる社交不安障害とは異なるメカニズムです。ただ、自閉症スペクトラムの人が社交不安障害を併せ持つ場合はあります。

うつ病でも、家の中に引きこもる場合がありますから、人を避ける社交不安障害と似ていなくもありません。ただ、社交不安障害は場面、状況に応じて症状が出ますが、うつ病は基本的に一日中、ほぼ毎日症状が出ますので、症状の持続時間が違います。また、うつ病になると食事がとれなくなったり、疲れやすくなったりと他の症状も出ますので、それらを確認すれば鑑別はできます。

社交不安障害は、不安障害の一種ですが、他の不安障害をあわせもつ場合も少なくありません。パニック障害、全般性不安障害などが同時に起きる場合もあります。また、他の不安障害が社交不安障害に似た症状になる場合もあります。不安障害の一つ一つを正確に分類するのはなかなか困難ですが、治療法はどれも近いので、そこまで厳密に区別しなくても治療は可能なことが多いです。

最後に、アルコールや薬物の話をしたいと思います。社交不安障害になり、人と会うことの不安が強まると、その不安を紛らわすためにお酒を飲んだり、違法薬物に手を染める場合があります。アルコールも薬物の一種であり、脳に作用して不安を取る作用があります。違法薬物には色々な種類がありますが、やはり脳に作用する薬であることに変わりはありません。

社交不安障害の人が不安や恐怖を解消させようとお酒や薬物にはまってしまう構図は、自分なりに薬を使って社交不安障害を治療していると考えることもできます。しかし、アルコールや違法薬物は恐ろしい副作用があります。病院で処方される薬よりもはるかに強い副作用で、脳や身体がボロボロになります。それなら、病院で処方される薬を使った方が合理的です。社交不安障害の人には、下手に自分で治療しようとせずに、病院やクリニックで治療することをお勧めします。

根拠となる文献:

  • DSM-5(米国精神医学会, 2013)

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