社交不安障害の症状と治療について説明します


このページについて:不安障害の一種である社交不安障害(対人恐怖症)の治療にはいくつかの選択肢があります。ガイドラインを引用して詳しく説明します。


社交不安障害とは、社交、つまり人と関わるソーシャルな場面に対する不安、恐怖や、そうした場面を避ける回避行動から成り立ちます。回避とは、例えば、人前に立つのが怖くてそうした場面を避けてしまうという行動です。誰でも緊張することはあると思いますが、社交不安障害の人は他人と会話するときに異常に緊張したり、嫌われるのではないかという強い不安に襲われたり、恥をかくことを非常に恐れたりします。そして、そういう場面を避けるため、人と関わることができず、生きていくうえで困ることが多くなってしまいます。こうした症状が短期的ではなく、数カ月以上続く場合、社交不安障害の可能性を考えます。

さらに詳しく社交不安障害の症状を知る

広場恐怖や全般性不安障害など他の不安障害でも社交不安障害と似た症状になることがあります。また、統合失調症という精神疾患でも他人の視線が怖いなど社交不安障害と似た症状が出ます。このように、他の疾患の可能性を考えて診断しないといけません。また、精神疾患は複数重なることもあります。うつ病、依存症などが重なることもありますし、自閉症スペクトラムなどの発達障害を持つ方もいます。この場合は、別の対応・治療が必要になります。治療法を考える上でも、正確な診断が求められます。

さらに詳しく他の診断の可能性について知る

社交不安障害の治療は薬を使う治療(薬物療法)と、精神療法(心理療法)に分かれますが、どちらも数ヶ月単位の時間が必要です。薬は主にSSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor: 選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という薬を使います。これはうつ病の治療薬と同じものです。まずは数週間かけてこの薬を増やしていきます。すると、数週間して徐々に効果が表れます。SSRIには即効性はありませんが、有効性が科学的に示された治療です。また、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を使う場合もあります。ベンゾジアゼピンは即効性のある薬ですが、依存性や眠気、集中力低下など副作用もありますので、なるべく使わない方が望ましいと考えられています。精神療法では、ネガティブな考えや否定的な自己像を修正していく認知行動療法という治療と、段階的に人と関わる、社交的な場面に慣れる練習をしていく暴露療法という治療などがあり、これらを組み合わせて行う方法も有効です。薬物療法を行うにせよ、精神療法を行うにせよ、治療は数カ月単位の期間が必要です。

社交不安障害の治療の選択肢について詳しく知る

根拠となる文献:

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#社交不安障害

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