糖尿病とうつ病の治療

ここでは、糖尿病とうつ病の治療について解説しています。新型コロナウイルス関連でも注目される糖尿病ですが、しっかりと治療することが大切です。


2020年3月現在、新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中で猛威を振るっており、ここ日本も例外ではありません。このウイルスが重症化するかどうかは、年齢や基礎疾患の有無にかかっていると言われています。基礎疾患とは糖尿病や高血圧などの持病のことです。


例えば、糖尿病は、血液中の糖分(血糖値)が高くなる病気ですが、すぐに症状は出ません。しかし、長年経過すると体中の血管がボロボロになり、目や腎臓の障害が出たり、脳や神経が障害されたりします。そして、新型コロナウイルスが重症化するリスクにもなるわけです。


現在、糖尿病をお持ちの方は、感染のリスクを減らすためにも、できるだけ血糖値をコントロールすることを勧めます。そのためには食事療法や運動が大事ですし、重症度に応じて薬も必要になります。


実は、精神的なストレスも血糖値に関係します。強いストレスで血糖値が上がることは知られていますし、うつ病などの精神疾患があると糖尿病になりやすいことも分かっています。うつ病は糖尿病に悪影響を与えるファクターなんですね。


また、糖尿病が強まると、倦怠感や疲労感など、うつ病に似た症状が出ることも有名です。つまり、うつ病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼし合うということです。だからこそ、同時に治療することが大事です。


今回は、うつ病と糖尿病の両方がある場合の治療について、論文を元に解説します。元になるのは2017年の論文で、系統的レビューという、複数の研究を集合させて解析したものです。ここでは、糖尿病とうつ病の両方がある患者さんに、抗うつ薬(うつ病の治療薬のことです)を投与した研究結果が集められています。合計、18個の研究データが集まったそうです。


これによれば、糖尿病とうつ病の両方がある患者さんに抗うつ薬を投与すると、うつ症状が良くなるだけでなく、血糖値のコントロールにも良い影響があったということです。精神状態が改善することで、糖尿病が改善しやすくなるわけです。ただし、うつ症状が軽い場合は効果が限定的だったそう。逆に言えば、重度のうつ病で糖尿病もある場合は、うつ病の治療を頑張った方が良いとも言えます。


うつ病の治療薬には、SSRIなどの新規の抗うつ薬と、三環系抗うつ薬などの古いタイプの抗うつ薬があります。古いタイプの方が副作用が出やすいです。特に三環系抗うつ薬は血糖値に悪影響が出る可能性があるため、もし使うなら血糖値の測定をしっかりと行う必要があります。そのため、糖尿病とうつ病の両方がある場合は、SSRIなどの新規の抗うつ薬を使う方が良さそうです。


病は気からと言いますが、精神状態が悪いと本当に色々な病気のリスクが上がります。もし、現在うつ状態で身体の状態も気になる方は、しっかりとうつ状態を改善させることが身体の健康にとっても大事です。うつ状態が強いと自分だけで治すのは難しくなります。特に、うつ状態が強い人や、うつ状態が長引いている人は、すぐに病院やクリニックで治療することをお勧めします。


参考文献:Use of Antidepressants in Patients With Depression and Comorbid Diabetes Mellitus: A Systematic Review. Acta Neuropsychiatr. 2017.

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