頭痛とうつ病・不安障害



頭痛はうつ病や不安障害などの精神疾患と合併しやすいことが知られています。


ヨーロッパの臨床研究によると、緊張型頭痛は不安症状と関連があるそうです。緊張型頭痛とは、頭全体が締め付けられるような頭痛のことです。


また、片頭痛がある人はうつ症状や不安症状も見られやすいという結果も出たそうです。片頭痛はズキズキと心臓のリズムに合わせて脳の片側が痛む(拍動性頭痛)ものです。


そして、最も不安症状やうつ症状と関連性が強かったものは薬物乱用頭痛という結果でした。これは片頭痛の薬(トリプタン、エルゴタミンなど)や他の鎮痛薬を飲みすぎることで起きる頭痛です。1ヶ月のうちに10日以上片頭痛の薬を使ったり、解熱鎮痛薬を1ヶ月のうち15日以上使うという状態が3ヶ月以上続いている場合は、薬物乱用頭痛を疑います。痛み止めにより逆に頭痛が起きることを知らない人も多いので、痛み止めを使う時は使いすぎないように注意が必要です。


参考文献)Headache, depression and anxiety: associations in the Eurolight project. J Headache Pain. 2016.


頭痛と精神疾患が同時にあるなら、心療内科や精神科で治療する必要があります。しかし、なかには頭痛が精神疾患の症状だと思わずに、ただ痛み止めを使うだけで治療し、心療内科や精神科の治療にたどりつけない患者さんがいます。しかし痛み止めばかり使っては薬物乱用頭痛に繋がる可能性もありますし、当然ですが、痛み止めで精神疾患は治りません。その前に、しっかり心療内科や精神科で治療した方が良いでしょう。


うつ病や不安障害は、ともに抗うつ薬で治療することができます。抗うつ薬と聞くとうつ病だけにしか聞かないように思われる方もいるでしょうが、実はパニック障害や社交不安障害、全般性不安障害といった不安障害にも抗うつ薬が有効です。また、抗うつ薬はPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療にも用いられます。


抗うつ薬の中には、直接的に痛みを抑える作用をもつものもあります。一番有名なのは三環系抗うつ薬というタイプの抗うつ薬で、その代表的なものがアミトリプチリンです。三環系抗うつ薬には、片頭痛を予防する効果があるという結果を示した研究論文や、緊張型頭痛の回数を減らすという研究論文があります。


参考文献)Tricyclic antidepressants for preventing migraine in adults. Medicine (Baltimore). 2017.

Tricyclic and Tetracyclic Antidepressants for the Prevention of Frequent Episodic or Chronic Tension-Type Headache in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Gen Intern Med. 2017.


この他、SNRIというタイプの抗うつ薬であるデュロキセチンも痛みを緩和させる効果が知られていますし、うつ病や不安障害の結果として頭痛が出ている場合には、その他の抗うつ薬の効果も期待できます。


頭痛が続いており、同時に精神的にも落ち着かないとか、眠れない、寝ても途中で起きるなどの症状が続いている場合は、心療内科や精神科をお訪ねください。頭痛と精神症状を同時に治療することが可能です。

他のブログ記事