不眠症・睡眠障害の治療


眠れない場合、まずは薬を使わない工夫、睡眠習慣の見直しをお勧めしますが、それでも効果が無い場合は精神科や心療内科に受診して、薬の治療を検討して下さい。

注意)不眠症にうつ病や統合失調症などの精神疾患が重なった場合は、睡眠薬だけ使っても効果が弱い、あるいは全く効果がありません。この場合、重なった精神疾患が不眠症の原因なので、うつ病の場合は抗うつ薬、統合失調症の場合は抗精神病薬など、原因となる精神疾患から治療していきます。


睡眠薬


睡眠薬の特徴について簡単に列挙します。薬の名前の横にかっこ書きで先発品(ジェネリックでない方)の名前を記載しています。睡眠薬の副作用を心配される方は多いと思いますが、副作用は個人差が大きく、同じ薬でも全く問題ない人もいれば、強い副作用を感じる人もいて様々です。自分にとって合う合わないは、使ってみないと分からないので、その点はご了承ください。


30日処方制限のない薬

依存性や副作用が少ない睡眠薬には処方日数の制限がありません。こうした薬は軽めの薬と思って下さい。ただし、日数制限が無いからと言って無限に処方できるわけではなく、安全性を保つため定期的に医師の診察は必要になりますので、誤解ないようお願いします。

  • レンボレキサント(デエビゴ):他の睡眠薬より依存性や副作用の心配が少ないです。効果が比較的早く、また持続しますので、寝付けない人、夜途中で起きる人にお勧めです。

  • スボレキサント(ベルソムラ):他の睡眠薬より依存性や副作用の心配が少ないです。夜途中で起きる人にお勧めです。レンボレキサントと同じく脳のオレキシン受容体に作用します。

  • ラメルテオン(ロゼレム):メラトニンという体内時計を調整するホルモンに類似する働きの薬です。効果は弱いですが副作用はかなり少ないです。

  • エスゾピクロン(ルネスタ):唾液が苦くなるのが特徴ですが、依存性や副作用は比較的少ないです。寝付けない人、途中で起きる人にお勧めです。


30日処方制限のある薬

軽度でも依存性や乱用の危険性がある睡眠薬は、投薬期間が30日までという制限が設けられます。使い方に気を付ければ安全に使用できますので、心配しすぎないで下さい。また、制限がある薬は強い薬と誤解される人も多いですが、薬の強さは用量しだいで、薬の量を減らせば弱くなります。

  • アモバン(ゾピクロン):エスゾピクロンに類似する薬です。唾液が苦くなるのが特徴ですが、依存性や副作用は比較的少ないです。寝付けない人、途中で起きる人にお勧めです。

  • ゾルピデム(マイスリー):効果がとても短い薬です。個人差はありますが、夜飲んでも朝には切れているので、寝過ごす心配が少ないです。

  • 短時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬:短時間型とはいっても人によっては朝に残ることがあります。やや依存性があります。筋弛緩作用があり、お年寄りの場合は転びやすくなるリスクがあります。また、睡眠時無呼吸症候群の人は病状を悪化させる可能性があるので注意して下さい。例:ブロチゾラム(レンドルミン)、エスタゾラム(ユーロジン)、トリアゾラム(ハルシオン)

  • 長時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬:長く効くことが特徴です。ただ、翌日に残る可能性が増えます。翌日に薬が残ると、眠気や、記憶力・集中力の低下のリスクがあります。また、やや依存性があります。これも筋弛緩作用があり、お年寄りの場合は転びやすくなるリスクがあります。睡眠時無呼吸症候群の人は病状を悪化させます。例:フルニトラゼパム(サイレース)、ニトラゼパム(ベンザリン)


睡眠薬以外で睡眠作用のある薬

  • トラゾドン(レスリン、デジレル):抗うつ薬ですが睡眠作用が強く、睡眠薬として代用されることが多い薬です。処方日数制限がありません。

  • クエチアピン(セロクエル):非常に作用・効能の多い薬です。第二世代抗精神病薬に分類され、統合失調症の治療に使われていますが、うつ病、双極性障害や不安障害にも効果があり、睡眠薬としても有効です。人によって血圧低下、めまいなどの副作用があります。

  • ミルタザピン(レメロン、リフレックス):抗うつ薬であり、うつ病の治療に使われます。持続時間が長い薬で、眠気が出ます。これを利用して睡眠薬として用いられることもあります。

  • アミトリプチリン(トリプタノール):抗うつ薬で、うつ病や不安障害の治療に使われます。眠気が出るので睡眠薬として使われることもあります。また夜尿症にも効能があります。

これら以外にも色々ありますが、代表的な睡眠薬は以上です。全て医療機関での処方が必要です。内科などでも処方可能ですが、長引く場合は専門となる心療内科や精神科で処方してもらって下さい。

他のブログ記事