パニック障害の治療

最終更新: 2020年9月29日

パニック障害の治療にはいくつかの選択肢があります。ガイドラインを引用しながらパニック障害の治療について説明します。

病気の理解


パニック障害の治療は、まず病気を理解することから始まります。パニック発作は体に症状が出ているため、自分の体に異常があるのではと不安になることがあります。そうではなくて精神的な症状により体に症状が出るのだと理解すれば、不安を減らすことができます。また、自律神経失調症というように、さも自律神経が障害されているかのような病名をつける医師もいますが、これは誤解です。パニック発作は自律神経自体が障害されたものではなく、あくまで不安や恐怖により自律神経のバランスが崩れる病気です。「自分の自律神経が壊れた」などと心配する必要はありません。このように、正しい知識を得ると不安は減ります。


不安のコントロール


自分なりに不安をコントロールすることも大事です。まずはリラックスする時間を作ることがお勧めです。ゆったりとした音楽を聴いたり、本を読んだりと、気持ちを落ち着かせて楽しめることを行ってください。自分なりの方法で十分です。また、目を閉じて深呼吸をする、瞑想する(マインドフルネス)という方法も心を落ち着かせる効果があります。


精神療法


専門的に精神療法(心理療法)を受ける場合もあります。パニック障害の精神療法は認知行動療法が有名ですが、これは自分の否定的な考え方を見直したり、行動を見直したりする作業を医療者と一緒に行うものです。この他にも色々な心理療法があります。よりどころメンタルクリニック横浜駅西口の心理カウンセリングは臨床心理士によって手法が異なります。


薬物療法


パニック障害の薬物療法は、抗うつ薬を使います。これはうつ病の治療薬と同じものです。SSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という脳内のセロトニンを増やすタイプが最もよく使われますが、SNRI(Serotonin Noradrenaline Reuptake Inhibitor:セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)という種類の抗うつ薬もあります。少し古いタイプで、三環系抗うつ薬もパニック障害の治療に使われることがあります。ただ、三環系抗うつ薬の方がSSRIなどの新規の抗うつ薬よりも副作用が強いため、SSRIなどで効果が出ない場合に使われることが多いです。


こうした抗うつ薬は少量から始め、数週間かけて少しずつ増やしていきます。抗うつ薬に即効性はありませんが、飲み続けていると少しずつ効果が出てきます。なので、すぐに効果を期待するのではなく、少し気長に構える必要があります。数週間待てば、だいたい半分以上の方で症状の改善が見られます。ただ、抗うつ薬を3ヶ月(12週間)ほど使っても効果が出てこない場合は他の抗うつ薬に変更します。病気が良くなって抗うつ薬を中止する場合は、少しずつ減らす必要があるので注意が必要です。いっきに減らしたり中断したりすると吐き気やめまいが出たり情緒不安定になったりという離脱症状(中断症候群)が出てしまいますので、急な中断は避けなければなりません。


また、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬もパニック障害に有効です。これは飲むと数十分で効いてくる即効性のあるタイプです。しかし、1ヶ月以上使用すると依存性が出てくるので、長期間の使用は控えた方が良いと言われます。


参考文献:

DSM-5(米国精神医学会, 2013)

Generalised anxiety disorder and panic disorder in adults: management(NICE: 英国国立医療技術評価機構, 2011)

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