治療抵抗性うつ病の割合

更新日:6月1日



治療抵抗性うつ病とは、うつ病の中でも治りにくい場合を指します。定義は研究によっても異なりますが、2種類以上の抗うつ薬を使っても良くならない場合は、治療抵抗性うつ病と捉えて下さい。今回は、治療抵抗性うつ病がどのくらいの割合で存在するのか調べたアメリカの疫学研究を紹介しますが、ここでの治療抵抗性うつ病の定義も、最低2種類の抗うつ薬を使っても改善がない場合とされています。


紹介する研究論文:Epidemiology of Treatment-Resistant Depression in the United States. J Clin Psychiatry. 2021.


この研究では、18歳以上の治療抵抗性うつ病の割合を調べています。うつ病の患者さんの中で、治療抵抗性うつ病の割合を、2つのデータベースを使って調べたところ、1つが6.8%、もう1つが5.8%となりました。互いに近い数字であり、再現性は高いです。


では、どのような人が治療抵抗性うつ病になりやすいのでしょうか? この研究ではそれも調べています。その結果、女性、中年(45-64歳)、白人の方は、治療抵抗性うつ病になる確率がほんの少し高い傾向にありました。ただし、強い傾向ではありませんでした。


とういうことで、うつ病の患者さんの中で、治療抵抗性うつ病の割合はだいたい5-6%と考えて良さそうです。


なお、治療抵抗性うつ病には、増強療法といって別の種類の薬を抗うつ薬と併用する方法や、心理カウンセリングを行う方法、TMS(経頭蓋磁気刺激)やECT(電気けいれん療法)などの電気生理学的な治療などの選択肢があります。抗うつ薬が効かないからといって治療を諦める必要はありません。うつ病の治療選択肢はたくさんあります。詳細は当院までご相談下さい。


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